島を渡る旅

空を飛ばなくても島の向こうへ渡ることができるようになったそれはすなわち陸続きになったと言っていいだろう。 私は北へ向かっている。陸続きで海を渡り広い大地へ行ってみたくなったのだ。目的地を決められるなんて随分と私も変わった …

暗きトンネルの向こう

新幹線の発着駅に着いた。どこに行くとも決めずにだ。なぜだと言われてもわからない。 昨年の空港に降り立った時の動揺を思うと、素直に空港に行けなかったというのが本音なのかもしれない。電車を乗り継げば新幹線の駅にたどり着くこと …

馴染まぬ空

旅ブログなのだから旅の記録を記載するのが筋というものだろう。しかしこのご時世では難しいのは自明の理だ。移動するというだけでご法度のような扱いを受けるこの時代になんとも時代に逆行している行動といえよう。 とはいうものの電車 …

小休憩

2年ぶりにブログを再開しようと思ってとりとめのない文章を記載してから、さらに1年が経とうとしている。 今頃になって、「きまぐれ周遊記(鳥取)」などという名前を付けた3年前の自分を恨んでいる。というのも、前回ブログを書いた …

新たなる世界

約2年振りにこのブログの管理ぺージを開いている。 なぜ今になって、この『たとえ運営を再開したとしても、誰に気にもされるわけでない』このブログの運営を再開したのかといえば、大した意図はない。 強いて言えば、何かを残したい、 …

裁きの日

どんなにいやだと思っていても、結局そうなってしまうことなんてよくある。 私だって本当は空港になんて帰宅はなかったし、飛行機にも乗りたくはなかった。でもなぜか羽田に着いてしまったのである。 京急『羽田空港国内線ターミナル』 …

蠢く悪夢

「だから飛行機はいやなのだ。」 今の精神不安定な私は、心の底からそう思っている。 「人類は飛行機の発明により、それ以前より飛躍的に進歩した。」 そのように考える人もいる。確かに飛行機ができる前の時代と比較して、人類は間違 …

楽園追放

「どうせ出かけなければならないのならもう早く出てしまえばよいのだ。どうせ飛行機に乗ってしまえばあとは座っているだけ。」 もはや極限までやる気を失ってしまった私は皮肉なことに、ただ何もしたくないという願望を叶えるためだけに …

躁鬱の魔窟

8月10日水曜日、快晴。朝8時。目が覚める。なぜであろうか、意識は非常にはっきりしているのに、体の方が言葉に言い表せないけだるさを感じている。頭の方は確かに、今から私の身に起こることが理解できているのだ。しかし体はそれを …